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★A6サイズ 全176頁/800円
★小説
<小説、冒頭の文>
――とある国の境、深き山の奥――
人の願ひも、獣の祈りも、静かに受けとめる社ありけり。
その名をば『生瑠伊神社』と申す。
夜な夜な、瑠璃のたてがみを風に揺らす神馬、星降る尾根を駆け抜けるという。
その背にまたがり給うは、玉振大神――
声なき声に耳を澄まし、光に秘された祈りを、縁へと織り返す、
八百万の神々のひと柱なり。
夜の生瑠伊神社に、森の動物たちが集い、神にそっと祈りを捧げる――。
『夜の神社で』は、自然と人、そして神が交錯する不思議な夜を描いた、全4話構成のオムニバス・ファンタジー小説です。神社を舞台にした物語は数多くあれど、本作は人間の視点にとどまらず、神や森の静かなまなざしを通して世界を見つめます。読むたびに新たな感情が呼び起こされ、心をそっと癒してくれる一冊です。
第一話『夜の神社で』
毎夜どこかへ出かけるようになった愛猫・琥珀。奈々は不思議に思い、ある夜その後を追ってみることに。たどり着いたのは、静寂に包まれた夜の生瑠伊神社。そこでは、鎮守の森に棲む動物たちが、神に祈りを捧げていた――琥珀もまた、願いを胸に神前に立っていたのだった。
第二話『リンゴ農園』
代々続くリンゴ農園を、銀行勤めの息子に継がせてよいものか――父は葛藤していた。そんなある日、フクロウの保護活動をしている人物との出会いから、農園に巣箱を設置することに。フクロウをきっかけに、父と息子の間に少しずつ言葉と想いが通い始める。
第三話『ぼくのおじいちゃん』
かつて名大工だった颯太のおじいちゃんは、今ではアルツハイマー型認知症と診断されている。庭の倉庫に巣を作ったイタチを、一緒に見守るうちに生まれる小さな絆。おじいちゃんをそっと支える颯太のまなざしが、読む者の胸を温かく包み込む。
第四話『秋祭り』
年に一度、山あいの町ににぎわいが戻る秋祭り。普段はコンビニの店長として働く主人公は、この日だけ神主として白装束に身を包み、生瑠伊神社に祝詞を奏上する。
神楽が舞われ、松明が揺れる境内に、そっと風が吹き抜ける――それは、人間だけでなく、森に棲む動物たちの祈りにも耳を傾ける、玉振大神の気配。
夜の帳の中、神と人とがひととき交わる、祈りと願いの幻想譚。
スピンオフとして『山祇の待つ祠』と『眷属の研鑽』の二作品を収録しています。是非、手に取って読んでいただきたいと思っています。
1枚目の画像はブックカバーをした状態。
2枚目の画像はブックカバーを平置きした状態。
3枚目の画像は本の表紙。
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